あれから私の足の捻挫はゆっくりだけど、治りつつあった。
あと1週間安静にしていれば、スポーツができるようになるらしい。
私は体育の時間、みんながバレーボールをしているのを、ぼーっとながめていた。
榊原…奏…なんかよくわかんない人…
でも、優しくて…誰もいない時は私のこと、希美って呼んでくれるんだよね…
そんなさりげないことで、嬉しさを感じてしまう。
でも、この気持ちに気づいちゃいけない。
叶わないから…
苦しいから…
切なくなるから…
泣きたくなるから…
手に届かない人だから…
だけどお願い。神様…
今この一瞬だけでも先生を好きでいさせて下さい…

