3年生が一番前のため、ここからは見えにくく、あまり新しい先生の顔は見えなかった。
校長先生が何やら話しをしてマイクを新しい先生に渡す。
「今日から保健の担当になった榊原奏。よろしく」
………………
それだけ!?どんだけ無愛想なの!?
勿論全体はその一言でシーンと静まり返ってしまい、榊原先生の顔もよく見れないままその場はお開きになった。
「ね、ねぇ亜未、なんか微妙な先生だったね…」
「意外といいかもね、ああいう感じのがモテるのかも。まぁ、私には陽兎がいるしね」
そう微笑んだ亜未は幸せそうだった。
陽兎っていうのは竹山陽兎って言って亜未の幼なじみで、最近付き合いはじめたばかりなんだ。
勿論告白したのは陽兎くんの方。私もよく相談にのってたりして、亜未にベタ惚れなのはよくわかってる。
私もそんな恋がしたいなぁ…って思っててもそんなマンガみたいなチャンスはやって来ない。

