男装ホスト*蘭*



 朔哉と入った部屋はどうやら更衣室のようだ。


 スーツが何着かあり鏡や軽い化粧道具が置いてあった。



「そこに座りな」


 朔哉が鏡の前に座るよう指示する。


「はい」


 声のトーンを下げて言った。


 (男にならなきゃ)



 朔哉は後ろに立ち蘭子の髪をいじり始めた。


「いい髪質だな」

「そ……そうっすか?」



 蘭子の髪にワックスがつけられていく。



 髪が盛られていく。



 手際のよさに蘭子は鏡越しの朔哉の手を見つめていた。


「お前、蘭って言うのか?」



 沈黙が続いていた中で突然話しかけられハッとする。


「あ……蘭子って言います」


「ふーん……蘭子ね。蘭子、少しメイクするよ」


 そういって朔哉が蘭子の前にしゃがんだ。