男装ホスト*蘭*



「おはよーございまーす……」



 低くて寝起きのような声がしたと思うと部屋の扉が開いた。


「あら、朔哉(サクヤ)じゃない。おはよう」

 ちなみに只今午後6時。



 蘭子はすぐにわかった。

 朔哉と呼ばれた男はここのホストだ。

 サラサラの髪にクールな目。


 背も高くて多分178くらいだ。



 もちろん、


 カッコいい。


 蘭子が朔哉を見ていると目があった。


「ママ、新入り?」


 母はママと呼ばれているようだ。

 朔哉は蘭子から目をそらさないまま問う。

「えぇ。私の娘よ」


「娘……?女じゃん」


「そうよ。ただ、蘭はこの通り中性的な顔立ちだし、声も普通の女の子より高くないし。胸もないし」

 (だから胸ないは余計だって……)


「ふーん……で、歳とか大丈夫なの?」


 (そうだ。私、まだ16……)


 今頃になって気づき母を見る。


「あら。オーナーはこの私よ?」


 蘭子は思った。






(あ。なんか大丈夫な感じが……)



 朔哉が口を開いた。

「じゃあ大丈夫か」




 (あ……いいんだ……)