校庭に着いた俺達は真紀を探した。

屋上から見た時は確かこっち方向に行ったはずなんだけど…いた!

真紀はまさしく囲まれていた。

ハデ系の女子に胸倉を掴まれており、顔には叩かれたのか赤く腫れている様な跡が見える。

「…もう一回言うわよ、私の春貴に近付かないで!」

「俺はお前の物になった覚えはないぞ??」

真紀の胸倉を掴んでいた女子が勢いよくこっちを振り向いた。

この女は知っているぞ、確か名前はサクラだ。

クラスは違うけど去年の学祭で話かけられて、それからちょこちょこ話す様になったんだ。

「春…貴くん??どうして…ここに??」

「真紀の友達が俺に知らせに来てくれたんだよ…サクラ…これはどういうことだ??」

俺はサクラに胸倉を掴まれて乱れていた真紀の服を治してやりながら聞いた。

…よく考えたら女子の胸元の服を触るとかセクハラなんだけど俺はその時そんなこと考えてなかった。



無性にムカついていたから。

「………」

「どういうことかって聞いてんだよ、答えろよサクラ」

俺は怒鳴らない様に気をつけながらサクラに問い掛けた。

けどサクラは下を向くだけで答えなかった。