拳が指差した校庭の方を見ると確かに真紀がいた。

しかも数人の女子と裏庭の方に進んで行った。

「もしかしてヤキ入れられるんじゃないか??あんた調子に乗ってんじゃないわよぉ~みたいな」

直輝が裏声を出しながら言ってきた。

「んな漫画の世界みたいな話あるか!この平成の時代に!」

「でも仲良しグループって感じでもなさそうだぞ、昨日一緒にいた奴等が居ないし」

「…取りあえず見に行くか」

俺のせいで真紀に何かあっても困るし。

直輝も拳も了解してくれたので、校庭に向かおうと立ち上がったら屋上のドアが勢い良く開いた。

「神崎くん大変よ!真紀ちゃんが神崎くんのことで女子に連れてかれたって!!」

屋上のドアから入ってきたのは息を切らした友里だった。

一緒に昨日喋っていた友達もいる。

多分俺に知らせようとして教室に行ったけど、居なくて友里に聞いてここまで来たんだろう。

嫌な予感ってのは良く当たるもんだな。

宝くじもこれくらい当たったらいいのによ。

俺は軽く舌打ちをしながらも走って校庭に向かった。