目の前の試合に専念出来るのは、友里の様な優秀なマネージャーが居るおかげでもあるからだ。汚れた紅白戦用のピステなどの洗濯や、救急箱の中身の管理。それに1年などがやるボール拾いなども率先してやってくれている。
試合中などは時間の管理や、シュートの本数などのデータを取っていたりする。実際のところ、監督の次ぐらいに権力があっても良いんではないかと言うほど仕事をしてくれていたりする。
「そっか。でもウソはダメよ。ダメな時は絶対に合図してね?控えの選手だって居るんだしさ」
「解ってるって。それじゃぁー行ってくるぜっと」
「きゃっ」
あまりにも心配そうな友里の顔を見てたらこう…突っついてやりたくなった。油断している友里の額の真中あたりを指で突いた俺は、逃げる様にピッチに戻った。
俺は振り返らない様にしてピッチに戻る。だってあの友里の大人びた顔が、怒りの表情に変わっている事は容易に想像できるしな。
拮抗した試合展開なのに、俺の心理状態は至って正常だ。もっと焦ってても良い展開なんだがな…。どうやら少し気を引き締め直した方が良さそうだな。
「もうっ!大人なんだか子供なんだか解らないのよね神崎君って…頼りにしてるからね」
春貴の思惑とは違い、友里は怒ってなどいなかった。少し呆れた表情をしているものの、それでも頼りになるキャプテンの存在は大きいようだ。
「リラックスするのは結構だ。アイツは緊張しいのところがあるからな…友里との会話で身体の固さが抜ければ良いんだがな」
二人の様子を窺っていた菊池先生は、ベンチから友里に話しかけた。
選手の個人事情にも詳しい監督の菊池は、若人の戯れを楽しむ癖がある。世間では年若い男の部類に入るはずのこの男だが、爺の様なところが見受けられる。
それゆえに彼女が出来ないという事態が発生している事を、菊池は認識していたりする。
試合中などは時間の管理や、シュートの本数などのデータを取っていたりする。実際のところ、監督の次ぐらいに権力があっても良いんではないかと言うほど仕事をしてくれていたりする。
「そっか。でもウソはダメよ。ダメな時は絶対に合図してね?控えの選手だって居るんだしさ」
「解ってるって。それじゃぁー行ってくるぜっと」
「きゃっ」
あまりにも心配そうな友里の顔を見てたらこう…突っついてやりたくなった。油断している友里の額の真中あたりを指で突いた俺は、逃げる様にピッチに戻った。
俺は振り返らない様にしてピッチに戻る。だってあの友里の大人びた顔が、怒りの表情に変わっている事は容易に想像できるしな。
拮抗した試合展開なのに、俺の心理状態は至って正常だ。もっと焦ってても良い展開なんだがな…。どうやら少し気を引き締め直した方が良さそうだな。
「もうっ!大人なんだか子供なんだか解らないのよね神崎君って…頼りにしてるからね」
春貴の思惑とは違い、友里は怒ってなどいなかった。少し呆れた表情をしているものの、それでも頼りになるキャプテンの存在は大きいようだ。
「リラックスするのは結構だ。アイツは緊張しいのところがあるからな…友里との会話で身体の固さが抜ければ良いんだがな」
二人の様子を窺っていた菊池先生は、ベンチから友里に話しかけた。
選手の個人事情にも詳しい監督の菊池は、若人の戯れを楽しむ癖がある。世間では年若い男の部類に入るはずのこの男だが、爺の様なところが見受けられる。
それゆえに彼女が出来ないという事態が発生している事を、菊池は認識していたりする。



