Leave a prove

前半は中央にボールを集める方法を多様していた。中盤の人数が多い俺等のチームは、ポストプレーを多様する事が多かった。

前半はその方法で仕掛けてみたのだが、相手のチームも俺等と似たフォーメーションなので、中盤の人数は多い。それでも大概は何とかなるのだが、相手のチームが思いのほか守りが良いチームだったので、噛みあいすぎた感があった。

ディフェンスの枚数が3枚しか置いてないのを利用して、サイド攻撃からのセットプレーで攻める方法に切り替えるのだ。今回の試合で、中央突破に不安要素が少し残る結果が残った訳だが、これも良い機会なのかもしれない。

弱点が見つかるのは、俺達にとってはありがたい展開だ。全国大会に進めたとして考えたら、準備期間が1か月ある。その間に練習をする時間はあるし、それが少しでも克服出来たら、俺等のチーム力の底上げになる。

それもこれもこの試合に勝ったらの話だけどな…。

全国では各県のエリート達と闘う事になる。それらを考えると、少しでも強い相手と経験を積まないといけないからな。

俺にとっては、長澤とのマッチプレーは全国への最後の試練になる事だろう。

俺達は後半が始まる気配を感じ、他の選手たちはピッチに戻って行く。俺は片方のシューズを脱いでいたので、再度靴ひもを結び直していると、友里が話しかけてきた。

「足…痛くない?」

「大丈夫だって。さっきも言ったろ?これぐらいはいつもの事さ…ストライカーの宿命ってやつなんだしよ」

雑用もそうだが、選手の身体のケアも考えてくれる友里。俺としては友里の存在はかなり有難い。