「今日は難なく勝てたな。てか、俺かなり暇だったんだが…」

「確かに今日は、攻めっぱなしだったからな。俺は逆に突かれちまったよ…キーパーは良いなぁ!楽でよっ」

「良くねぇしっ!てか、サラッと嫌味を言うな!」

今日の試合はニ試合あり、俺らのチームはその二つとも圧勝で勝負を終えた。一試合目は、12対0で勝ち、二試合目は10対0で勝ったのだ。

つまりは、ワンサイドゲームだったという訳だ。

今は、試合会場から離れ、家への道を自転車で俺と直輝と友里の、三人でゆっくりと帰っている最中である。

「でも、今年は去年以上に調子が良くて、見てて安心出来るわ。神崎君も、今年は得点王確実だと思うし…二試合で10得点も上げれば間違いないわね」

友里は、今日の試合を思い出しながら、俺にそう話しかけてきた。

確かに俺は、今日の二試合で合計10得点を挙げていた。今日の試合は二試合とも、ワンサイドゲームにありがちな展開になっていたので、簡単にゴールを決める事が出来たのだ。

まぁ、二試合で22点も挙げているのを考えると、チームの点取り屋でもある俺の10得点は特別多い点数でもないだろう…。

「別に狙っている訳ではないけどな。チームが勝てれば俺はそれで良いわけだしよ…」

「とか言っちゃって、我らのキャプテン春貴君は、ちゃっかり狙ってるんだろ?真紀の為に俺は取るぜいっ!みたいな感じで」

「勝手に言ってろっ。取れるものは取りたいけど、優先順位はチームの勝ちだろ…今年が最後なんだしよ」