お兄ちゃんとあたしは、家を出てお祭りのある神社に向かった。
歩く度にカラカラなる下駄の音を聞きながら…日は、ゆっくりと落ちていった…。
『お兄ちゃん…
昨日ね、康とケンカしちゃった…。
あたし、康に酷い事言った…。』
あたしは、下を見ながらボソッと話した。
「あぁ、康から聞いたよ〜。
昨日、守屋家に泊まり来たし。」
勢いよくあたしは、お兄ちゃんの顔を見た。
「アイツも場の雰囲気、壊してた事や家庭から逃げてる事も分かってたみたいだよ。
もう、大丈夫。
康は、結の言いたかった事をしっかり受け止めてたから…。」
お兄ちゃんは、柔らかく微笑んだ。

