帰り道、黒岩くんとあたしは暫く無言のまま歩いた。 あたしは、こんなに早く兄が見つかるとは思っていなくて驚きのあまり動揺していた。 沈黙を破ったのは、黒岩くんだった。 「具合、悪い? 会長と会ってから、香月さん様子がおかしいよ?」 そう、然り気無く聞いてきた。 『僕は、元気だよ〜! 何かさ、会長かっこよすぎて緊張しちゃったよ〜(笑)』 「そっか〜!」 黒岩くんは、安心した顔をした後、にかっと笑った。