突然、私を呼ぶ声。

声のする方を向いてみる。

『あ、どっ堂本さんっ…だよね?』

声の主は、同じ中学だった堂本楓(どうもとかえで)さんだ。

しゃべったことのない彼女からの声かけは嬉しかった。

「あ、奈留もいる~っ!奈留、何組だったぁ?」

堂本さんは奈留がいることに気づいた。

「2組2組っ!楓はぁっ?」

どうやらふたりは友達のようだ。