プライベート・スカイ

『アマゾン?お前ドコにいるの?』

「──家に決まってるじゃん!アンタが行くと思ってたから行く気はなかったよぉ」

とっさにそう言った。女に苦労してる青山さんに気をつかわせるのは、ちょこっと可哀想な気がして。

『ホントか?』

「ホントホント!それよりしっかりしなよね!あたしは風呂入って寝るから!じゃ!」

そして面倒だから、余計な事は言わずに電話を切った。

ふぅ…
レイナちゃんの方はとりあえず大丈夫かな。

まだ心配だけど…あたしが心配したって仕方ないもんね。

さぁーて、帰ってホントに風呂入って寝るか!

来た道を、今度はのんびりチャリに乗って帰る。

…なんかバタバタしちゃって、あのアズマって人に連絡しなかったなぁ…

慌ててたから、ポケットにお兄ちゃんの携帯を入れてきてしまった。

どんな風にメール入れようかな…
さっきの佳依って人と同じでいいかな?

家に帰ってからだと忘れちゃいそうだから、あたしは途中で立ち止まってメールを打った。

『To.アズマ
久しぶりー、さっき佳依から連絡が来てさ、アズマに連絡しろって言われたんだよ。新しい顧客ってどんな人?』

おっ、なかなか上手くない?あたし。