プライベート・スカイ

『このバカチンがー!!彼女ほったらかしにして何してんだよー!?

レイナちゃんとデートしないと呪ってやるからな~!!お前も黒くしてやる!!』

送信っ。

さーてと、帰ろっ!

店を出て歩いて帰るあたし。マスターには危ないから送るって言われるけど…悪いし。

かと言ってタクシー代なんてない。

30分で着くんだから平気っしょ!

仕事には慣れないけど、歩くのには慣れた道。しばらく歩いていると青山さんから電話がかかってきた。

「ハイ、なに!?」

『…ゴメン、怒ってる?』

はぁ~?
なに言ってんだよ?!

「あたしにじゃなくレイナちゃんに謝りなよ~!だいたい何であたしに電話してんの!?
てか、何でレイナちゃんをほっとくの?」

──電話の向こうから車が走り去る音とか、人の声が聞こえる。

外に居るのはわかるけど、レイナちゃんと一緒ではないし、レイナちゃんと会おうとしてるわけではないのは分かった。

『アマゾンが怒ってる気がしてさ…。レイナには悪いと思ってるんだけど、ちょっと行けなくて』

「…なんでよ?仕事忙しいの?」

『オレさー…前から付き合ってた彼女がいたんだ…』