プライベート・スカイ

翌日…と言ってもお昼近くになってから、青山さんとレイナちゃんからそれぞれメールが入ってきた。

二人からは同じように

『昨日はゴメンね。ありがとう』

って入ってたから、きっと上手くいったんだろうなーって思った。

いいなぁ、ちゃんとした恋人同士。

手を繋いで堂々と街を歩いてみたかった。もちろんお兄ちゃんと。

もう叶わない夢。

──どうして兄妹で好き合っちゃダメなのかなぁ…

好きならいいじゃん。愛し合ってない夫婦よかいいじゃん。

そこに愛があるんだから。

どちらにしても、お兄ちゃんが目覚めたら振られるんだから一緒かな…

夕方、仕事が始まるまで、お兄ちゃんが眠る部屋の隅でうずくまる。

一緒に居たいけど、居られないから…
お兄ちゃんと眠りたいけど、ダメだから…

自分でもいつ眠ってるのか分からないの。

多分、不眠症。機械音と時計の針の音を数えて時間を過ごす毎日。








仕事に行く時間が近くなると、あたしはメイクをして服を着替えた。

「…じゃあね、行ってきまーす!お兄ちゃん」

家を飛び出して、しばらく歩くとようやく現実に戻ってきた気がする。

これが毎日のあたし。