プライベート・スカイ

探して探して、ようやくドラッグの名前が分かった。

『Sweet Pain』

でも分かったのはそれだけ。
新種のせいか、あまり出回ってなくて

どこでお兄ちゃんが手に入れたのかはサッパリ分からない。

そのうち、お兄ちゃんの生命を維持する為の機具のお金が無くなってきた。

なんでもいいから働かなきゃ。

風俗でもウリでも。

お金が必要なの。

──この街のどこかからドラッグが出回ってるのは分かってるんだから──

そんな理由で、偶然にも親戚がこの街でキャバクラを経営していた事もあって

頼みこんであたしはキャバ嬢を始めた。





でもね、お兄ちゃん。

キャバ嬢を始める前にね、あたし少しだけ風俗嬢もしたんだぁ。

ヘルスとか。

ホントにお金なくて。

内緒でお金もらって、本番だってしたの。

だからもう汚れちゃった。昔の綺麗な身体のあたしじゃない。

お兄ちゃんが目覚めるのを、こんなに願ってるのに
きっとお兄ちゃんが元気になっても

あたしそばに居られないと思う。

きっとお兄ちゃんはあたしの事嫌いになるくらいに、あたし汚れちゃったから

「ゴメンね…大好きだよ…」

それでも朝が来るのを願ってる。