プライベート・スカイ

このまま透依と一緒に居たい。
せめて今夜は、触れ合っていたいの。

「戻りたくないな…」

「ん?」

「カラオケ。中川さんと雨峰ちゃんのとこに戻らずに、このまま透依とどこかに行きたい」

「うん…オレもそう思う」

でも雨峰ちゃんに悪いから戻らなきゃダメかな…

でも透依。私、今スゴく貴方の事が欲しい。

Sexしたいって意味じゃなくて、貴方の全てを手に入れたいの。

貴方の事を何にも知らないのに、ね。

「アマゾンにメールしてみるか」

「なんて?」

「このままレイナと逃げていい?って」

そう言うと透依は雨峰ちゃんにメールした。すぐに返ってきた返事に透依が笑う。

「ねぇ何だって返ってきたの?」

「『じゃ、あたしは中川さんを食べちゃうね』だって」

それはもちろん雨峰ちゃんの冗談で、本気じゃない事はすぐに分かった。

雨峰ちゃんらしく、気をつかってくれたんだろう。

透依は雨峰ちゃんに『ゴメンね、よろしく』とメールをして携帯をポケットに入れた。

「行こうか」

「…うん」

自然と出された彼の手を握ると、彼も私の手を強く握り返した。

そのまま私達は近くのホテルに入る事にした。