プライベート・スカイ

彼の言葉はストレートに、私の中に入ってきた。

──ドキンって
胸の奥で大きな音がする。

少し…ううん、正直嬉しいと思いながらも彼女の存在が引っかかる。

「でも彼女が…」

「ちゃんと別れるって言っただろ?それとも彼女がいるって聞いてオレのこと嫌になった?」

「…わかんない…」

私がそう答えると、透依はさらに強く私を抱きしめた。

「オレのこと好き?」

「わかんない…もしかしたら嫌いかも…」

「じゃあ何で逃げないの?」

だって…力が強いからだもん。
逃げられないでしょ?

「オレは好きだよ」

耳元で囁く彼の声がくすぐったい。






「私を見て、ね…」





透依が唇を求めて、私はそれに応えた。

…変ね。
この前キスしたのに全然違う。

透依とキスしてることに

ドキドキする。

足の下にはたくさんの車が行き交う歩道橋の上。

キスしてるとこ見られるかなって考える余裕もない。






私も彼のこと

  好き  かも




キスを終えても、透依は私の顔に触れて頬やまぶたにキスをした。

「早く私だけのものになってね…」

自然と、私はそれを願っていた。