プライベート・スカイ

そんな透依からのメールにガッカリした。

なんでよ?
付き合い始めって会いたくなったりしないの?

まだそんなに私のこと好きじゃないから?

妙にイライラする。
私だって、透依の事を本気なわけじゃないのに。

…そうよ、まだ本気じゃないわ…

ファンデで隠しても、うっすら見える手首のキズをジッと見た。

本気じゃないわ…まだ…

何度か深呼吸をして私は店内に戻った。
仕事しなきゃ。お客が増える時間だし。








イライラしながらも我慢して、仕事を終えた。
ホントはね、前に通院していた時にもらっていた薬を飲めば少し楽になるんだけど…

出来るだけ飲まないようにしてる。
私にとっては依存にしかならなかったから。

一応はお守り代わりに持っていたけどね。

ああ…透依に会いたかったな…
またあの暖かい腕に包まれたかった。

だけど無理なら仕方ない。ガマンしなきゃ…

私が落ち着くための『お薬』がもう一つあるの。

効かない時もあるけど…気持ちが少し穏やかになる気がする。

私は皆が帰る中、一人イスに座って携帯を見ていると雨峰ちゃんが声をかけてきた。

「レイナちゃん、何してんのー?彼氏とメール?」