プライベート・スカイ

「他の人はね…ただ乱暴に私の身体を犯しただけだったのに…彼だけは違ったの」

「だ、だけどレイナを無理矢理襲ったんだろ?少しくらい優しかったからって、付き合うものか?そんなのおかしくないか?」

「他の人間に理解されなくてもいい…それでも私は彼を好きになった──それが事実だった」

──正直、オレにはレイナの言ってる事が理解できなかった。

普通に考えて、こんなのあり得ない。

「事件の後も彼と会って…ちゃんと付き合ってたのよ…そう思ってたのに…彼は違ったんだって…」

「…」

「彼は私の身体と、私のお金が欲しかったみたい」

「だったら…わかってたなら何で離れなかったんだ?」

「寂しかったの…だって私には他に誰もいなかったから」

「誰もいない?」

レイナは自分がつけたリスカの跡を、指で触れて言った。

「何年か前にね…母親が再婚したの。だけど新しい父親と、血の繋がらない妹に私は無視され続けた。

生活費も出してもらえない…母親が働いてくれて何とか学校にも行けたけど

結局、お母さんは精神を病んで私の目の前で首をつったの」



──ドキッとした。

レイナの話しに驚いたわけではなく、母親の話しに。