プライベート・スカイ

薬がまだ回ってるのか、レイナはぼんやりしていた。

オレはフロントに電話し、やっぱり延長すると伝えソファに座っていた。

死ぬ気はなかったって事なのか…
それでも薬を飲み、手首をキズつける行為がオレには理解できなかった。

レイナはキャバ嬢だ。ドラッグなら普通の人より手に入りやすいんだろう。

誘惑に負けたか…

あ、そうだ!アマゾンにメールしとかなきゃな。まだ捜してるだろう。

『レイナ発見。オレが保護してる。落ち着いたら家まで送っていくよ』

〈わかったー!ありがと!〉

数分でアマゾンから返信があった。
これでアイツも安心しただろう。

しばらくするとレイナが口を開いた。

「…何で戻ってきたの?」

「オレだって戻ってくるつもりはなかったよ。途中でアマゾンに会ったりしなきゃね」

「アマネに会ったの」

アマネ…そういえばそんな名前だったな。

「スゲー心配してた。後で電話してやれよ」

「何であの子が心配するのかわかんない。私、アマネになんて何にも話してないのに…」

「レイナ見てたら気がついたんだろ。悪い事じゃない」

「余計なお世話だよね…同情されてんのかな?」