プライベート・スカイ

そう聞かれて、ちょっと困った。

まさか男と口論になった挙句、橋から飛び降りて…なんて言わない方がいい事くらいわかってる。

「…何にもないけど、さっき見かけた時に様子が変な気がしたからさ…」

「ええー？ヤダぁ、大丈夫かなぁ!?」

アマゾンは慌てて携帯を取り出し、誰かに電話をし出した。

「…出ない。おかしいな…大丈夫かなぁ」

携帯の画面を見ながら独り言のように呟くアマゾン。

「もしかして、レイナに電話したのか？」

「うん。でも出ないなんておかしい…」

「たまたま着信に気づかなかっただけじゃん？」

「それはないと思う。だってレイナちゃんは…いや、ゴメン。なんでもない」

その言葉の続きが気になった。
レイナが…何だっていうんだろう。

「一緒に居た男と何か関係ある？」

思い切って、そう切り出すとアマゾンは顔色を変えた。

「一緒に居た男って…もしかして髪がこんな感じでメガネかけた男？」

アマゾンが身振り手振りでへたくそな説明をする。
暗かったけど…多分メガネかけていたような気がする。

「そんな感じだったと思うよ」

「ヤバいなー、レイナちゃん…変な気を起こさなきゃいいけど…」