──急ブレーキの音。
それと衝撃音。
死に至る鈍い音が聞こえると思って私は耳を塞いだ。
キキ────!!!!
車が停まる衝撃が身体にモロに響いて私は窓に頭をぶつけた。
「パパパパー!!!!」
クラクションがしつこいくらいに鳴り続けている事に気づいて、私は身体を起こし目を開けた。
佳依の運転が上手かったのか、運がよかったのか───
車は反対車線に入っているにも関わらず、ドコにもぶつからず道路の中央で停車していた。
危険な運転をした私達の車に、周りが抗議するようにクラクションを鳴らし続けてたけど
佳依が車を左端に寄せて停めると、仕方なしに車を発進させていった。
サイドブレーキを引いて佳依が怒鳴った。
「ふざけた事すんじゃねーよ!!お前はバカか?!」
「一緒に死のう!私と一緒に!もういいでしょ!?」
「なんで死ななきゃなんねーんだよ!」
「こんな事して何になるって言うの!?生きてる意味ある?
家族を傷つけて、陥れて、佳依は何の為に生きてるの?!」
「お前には関係ないだろ!例え理由があったとしても、お前と無理心中するつもりはねーよ!
死にたきゃ勝手に死ねよ!」


