プライベート・スカイ

「あたし、人の顔覚えるの得意なの~!まだ仕事に慣れてないぶん、お客の顔くらいは覚えようと思って」

「へー…エライじゃん」

「そっかなぁ!?未だにお酒作るのあり得ないような間違えをするんだけど!」

「ああ、そりゃまだ偉くねーな」

「だーよーねー!!」

アマゾンはいつまでも笑っていた。

オレはコイツの事をかなりバカにしていた。

何にも出来ない頭の空っぽな女で、キャバだからとテキトーで無責任に仕事して、金が貰えればいいじゃん☆…くらいにやってるんだと思ってたから

ちょっとだけ見直した。

まぁ本人が言う通り、仕事はまだまだなんだろうけど、やる気はあるんだな。

「青山さんは何してたの~?仕事!?」

「仕事帰りって言えばそうなんだけど…なぁ、レイナって普段からあんなにワガママなん?」

もう会わないって言ったし、思い出すとムカつくんだけど
なんとなく聞いてみたくなった。

「レイナちゃん?いいコだよぉー。あたしに優しく仕事教えてくれるよ?お店でもワガママなんて言わないよ」

「遊びに行くほどは仲良くないかな」

「ん?でも何回かご飯食べに行ったし、たまにメールもしてるよ。レイナちゃんと何かあった?」