プライベート・スカイ

当然レイナは怒った顔をした。

でも構うもんか。オレの彼女じゃないし、今後会うつもりだってない。

──それに、オレのプライドをキズつけられた。

'オレ'という人間なんてどーでもいいっていう態度。

オレを好きじゃないから、簡単に足を開くような真似をするレイナが嫌いになった。

「Sexが合意の上ならまだしも、これじゃオレが一方的にやりたがってたみたいじゃん!」

「だって、結局そうでしょ?」

「逆だろ!誰でもいいからしたいのはお前の方だ!ムシャクシャするから気晴らしのつもりだろ!」

「他の女と出来るのよ?普通の男なら喜ぶんじゃないの?どうせ男なんて、誰でもいいくせに…」







  パシンッ!





オレは思わずレイナの頬を叩いた。

だってメチャメチャ・ムカついたから。

「男にだって誠意や愛情なんかの感情くらいあるんだよ!お前の周りの男と一緒にすんな!」

「…」

彼女は叩かれた頬を手で押さえ、目にいっぱいの涙をためていた。

これからどれほど謝ってこようが、どれほど泣こうが、許す気はなかった。

「じゃあな。もう会わねーから」

オレは料金を支払い、さっさとホテルを出ていった。