プライベート・スカイ

アマゾンの家の場所を聞くと、オレ達は電話を切った。

温かい服を着込み、とりあえず財布の中身を確認した。

数万円は入ってる。
足りなければカードもあるし

レイナの話し次第では、彼女と一緒に逃げることも少しだけ頭の中にあった。

今のところ、不可能に近いけど。

家を出てアマゾンん家方面に向かう。

深夜だから当然、地下鉄も電車もバスも動いてないし、わりと近いとは言っても一駅以上はある。

もしタクシーを使ったりして、後が面倒なことになるのは避けたかった。レイナはある意味『重要参考人』だから。





結構な時間を歩いて、ようやくアマゾンん家の近くまで来ると、心細い電灯の下で

心細そうにレイナが待っていた。

「透、依…」

「…レイナ」

会わなかった期間がそれほど長かったわけじゃない。

なのに

驚くくらいレイナは痩せて、まるで病人みたいだった。

レイナの精神が不安定な時は何度か見た。
その時よりもはるかにヤバそうな顔色。

青白い電灯のせいだけじゃない。

「とりあえず行こう。話しは着いてからだ」

レイナを隠すようにオレは彼女の隣を歩き、一番近くにあったLoveHotelに入った。