プライベート・スカイ

「穂貴は一緒にSweetPainを売ってた最初からの仲間だった──

途中からレイナや何人かの仲間を作り、売人を増やし販売ルートを確立していったんだ…







『アズマ、これはやっぱりヤバいよな?』

数日、様子がおかしかった穂貴が呟いた。

『何が?』

『俺、頭が異常かもしんない。っつーか、異常な性癖なのかも…』

『だからなに?!マニアックな話しか?』

『俺…妹とやっちゃった…』

『はっ!?い、妹ってあの黒い…お前犯したの?』

『違うよ!ちゃんと付き合ってんだ!』

『妹と』

『うん…ヤバいよな。でも好きなんだ…』

──穂貴は本当に悩んでた。苦しんでもいた。

誰にも言えなかった事を、俺にだけ吐き出していた。

俺は、近親ソーカンなんて関係ないじゃん?って言い続けてた。

他に言葉もなかったし。穂貴を傷つけない言葉はこれしか浮かばなかった。

でもそのうち穂貴は精神的に追い詰められていったらしいんだ。

案外、恋愛にマジメだったんだな。

あんなに弱い男も珍しいと思った。


それである時
SweetPainの顧客が死んだんだ。

穂貴の目の前で。それが一番のきっかけだったかもしれない」