「雨峰、雨峰!おい、起きろって!」
「ん~…ん…?」
アズマの声…?
アズマがあたしを起こそうと、身体を揺らしてる。まだ重い目蓋を半分開けると、アズマの顔が見えた。
「あれ…なんでアズマが居るの?」
「なんでって、また明日来るって言ったじゃん。鍵が開いてたから入ったんだけど…レイナは?」
「あたしの部屋で寝てるんじゃないの?」
「…そこの部屋だろ?誰もいないぜ」
「嘘…っ!?」
あたしはすっかり目が覚めて、慌てて家に居るはずのレイナちゃんの姿を捜した。
トイレ、洗面所、お風呂。ベランダにも居ない。
「やだ…どこに行っちゃったの!?」
いつの間に!?全然気づかなかった!!
「どうしよう、あたし外を捜してくる!」
「待てって!お前まで外をうろつくなよ!」
「何かあって外に出たら警察に捕まっちゃったのかもしれない!」
「一応見たけど、捕まったってニュースはやってない!自首はしてないと思うし。だからレイナを捜しに外に出るのは危険だ!」
アズマがあたしの腕を掴んで止める。
「だけど、心配じゃないの?!自殺とか考えてるかもしれないじゃない!」
「むしろ死んでくれてた方がいいよ!」


