プライベート・スカイ

だって、消えて泡になっちゃいそうなほど弱く見える。

あたしなら別に捕まって前科持ちになっても神経図太いからさ、平気だろうけど

レイナちゃんは違う。

あたしは立ち上がり、食器棚からカップを二つ取り出した。

「あ、ホットレモン飲む?嫌い?」

「平気よ。…雨峰ちゃんはいい奥さんになれそうね」

「えぇ?!なんで?」

「だって、もう奥さんみたいなんだもの。よく気がつくし、料理も上手だし」

「ヤ~だぁ~!褒めたって何もでないからね」

「でもホットレモンは出てきた」

レイナちゃんが久しぶりに笑ってくれた。

あたしも嬉しい。

熱々のホットレモンを注意しながら一口飲み、大きく息を吐いた所でレイナちゃんが話し始めた。

「──私、彼女のこと『殺したい』と心の何処かでは思ってたんだわ」

「死んじゃった…あの人のこと?」

「嫌いだった。透依と別れるのを拒んでて…でも、それまで透依と付き合ってたことにも嫉妬して…色々あって

『死んでも構わない』
そう思ってSweetPainを『願いが叶う』と言って渡したの。

彼女の最期の願いって…やっぱり透依と愛し合うことだったのかな…そう思うとやっぱり悔しいのよ…」