プライベート・スカイ

「まだ平気だろ。まだイケると、佳依も俺も考えてた。それを早めたのはお前だよ」

「そんなワケないじゃない!もう何人かは逝っちゃってんのよ?!」

「でもSweetPainそのものは警察には渡ってなかったはずだ」

「そんなのわかんないじゃない!何故そんなに自信があるのよ!?」

「あのさぁ…」

「なんだよ?!」

二人が口論を始めた所で、またあたしが口をはさんだ。

ワザとじゃないんだよ?

不思議だと思ったから忘れないうちに聞かなきゃって思って

「SweetPainってドラッグでしょ?アズマが『まだ平気』とか言う意味がわかんないんだけど。明らかに犯罪なんじゃないの?」

「雨峰、SweetPainは合法ドラッグなんだ」

「今のところは・でしょ?すぐに違法になるわよ」

「合法ドラッグ…?」

「つまり、まだ法の規制がない物質だって事。だから警察が気づいていても取り締まれないって訳さ」

「法律で『麻薬』だと認定されなければ平気だと言って、佳依は販売ルート確立し、客に徹底したルール決めをして売っていったのよ」

「で、二人が売人だったってわけ…」

「売人は二人だけじゃないけどな。地方にもいるよ」