プライベート・スカイ

「実は友達なんです。しばらく会ってなかったんですけど、まだ入院してるって聞いて

顔だけ見て帰ろうかなって思って」

「そう…なの。友達も同じ病院に居るなんて聞いてなかったから驚いたわ」

「そうですよね。じゃあ…お世話になりました」

「ええ、元気でね」

看護師は何の疑問も持たずに行ってしまった。

…よくあんな嘘がスラスラと出てきたもんだわ。

'友達'だって。

メチャメチャ嫌いな人なのにね。

気を取り直してドアをノックすると、少し間があいて沈んだ声が返ってきた。

「…はい、どうぞ」

「…こんにちは」

「どちら様…あっ…貴女…!」

ホンの数秒で私の事を思い出したみたい。よく憶えてるなって感心した。

久しぶりに見た成田美夜は、入院が長いせいか疲れた顔をしていた。

かなり痩せて、あれほどあった『自分に自信がありますオーラ』はどこに消えちゃったんだろう?

壊れちゃったのは、私と同じかもしれない。

「何しに来たんですか?」

「別に。たまたまこの病院に来たから寄ってみたのよ。お金はまだまだ足りないけど、あれからどうしたかなって思って」

「どうせ、私を笑いに来たんでしょう」