プライベート・スカイ

「…お前、マジに言ってんの?」

「辞めたいって、ずっと思ってたのよ。ねぇ、一緒に辞めよう?二人で足を洗おう?」

一人じゃ佳依からは逃げられない。

でもアズマとなら可能性はある…!

「ムリだ。佳依に殺されるぜ?それに俺は…まともな人間にはなれないよ」

「どうして!?雨峰ちゃんと付き合ってくんでしょ?!このまま一生そんな事してる気?」

「いつまでかはわかんねーよ。少なくとも佳依が辞めるって言わなきゃ辞めないし
それに、これほど稼げる仕事はないからな」

私だって、これから先生きてたってまともな人間になれるとは思わない。

「じゃあ…佳依を殺そう」

「…はあっ!?」

「佳依を殺したら私達、自由になれるわ」

「…で?売人は辞められるけど殺人で懲役くらうって?」

「その方がマシよ!このままSweetPainを売り続けて、いつ佳依に殺されるかわからず脅え続けるよりは

刑務所の方が安全だわ!」

最後まで勤めあげて、外に出てきたら自由よ。もう怖いものは消えてる。

「俺パス!刑務所なんてヤだよ。別に佳依なんか怖くねーし。お前死にたいんだろ?

だったら別に佳依を殺す必要ないじゃん」