プライベート・スカイ

「レイナ…ちゃん」

「帰ってよ!顔も見たくないわ!」

「雨峰、お前ちょっと部屋の外で待っててくれない?」

「う、うん…ゴメンね、レイナちゃん」

アズマは雨峰ちゃんを外に出し、私の興奮を和らげようとした。

──でもムリ。

感情は抑えられず、何もかもに苛立ち爆発する。

行き場のない不安と黒い感情をアズマに吐き出したって、アズマは私を助けてはくれない。

「アズマも出てって!もう私の事なんか好きじゃないんだから!」

「落ち着けって…お前がそんなんだから俺だって嫌になって別れたくなるんだ」

「貴方に何がわかるっていうの?!私、アズマに嫌われないようにってずっとガマンして頑張ってきた!

なのになんでそんな事言うの?!結局は雨峰ちゃんに乗り替えたくせに!」

貴方と佳依にメチャメチャにされた私の人生、どうしてくれるのよ…!

「レイナ」

「でも知ってる?雨峰ちゃんのお兄ちゃんはSweetPainを飲んで眠ったままなんだってね!アズマも私も加害者なのよ!」

「お前、雨峰の兄貴が誰か知ってんのか?」

アズマが不思議な質問をしてきた。

「誰よ?!」

「森下穂貴…SweetPainを売ってた仲間だよ」