…死んでもいいと、本気で思った。
死にたいと、本気で思っていた。
ナイフで自分を傷つけたのに、キズの痛みはなく。スーッと身体中の血が流れ出していく感覚が気持ちを落ち着かせた。
今度は自分を癒す為のリスカじゃない。
本気で天国の扉を開ける為のリスカよ。
透依…
私のこと
好きだった?
『うえぇぇぇーん!!うぇっ、えっく、ひぃーん…ねぇー起きてよぉー死んだら怒る゛がら゛ね゛ぇ゛ぇ~』
誰か…子供のような泣き声…顔に冷たいものが落ちてくる感触に私は目を開けた。
「レイナ…!レイナちゃあぁぁん…!起きたの!?あたし、わかるよねぇ!?」
「雨峰…ちゃん…?」
雨峰ちゃんが私の隣でメチャメチャ泣いていた。
「ア゛ス゛マ゛ぁ~レイナちゃんが起きたぁぁぁ~良かったよぉー良かったねぇ~生きてて良かったぁぁぁ~」
ガラガラ声で、雨峰ちゃんは私に抱きついて泣いた。
雨峰ちゃんの横にアズマがいた。
アズマは冷たい視線を私に注いでいた。
『死ねばよかったのにな』
って、言いたそうな顔。
──また
私、死ねなかったんだね…


