プライベート・スカイ

彼は自信ありげにキッパリと答えた。

アズマって自分に自信あるし、夢なんか見ないタイプだよね…

「あ、でも俺、目の前でコレ飲んで願いを叶えたヤツを知ってるな…」

「嘘!?願いって?!」

「世界征服」

「なんだ~嘘かよ!!」

あたしは簡単に騙されてガッカリした。アズマがそれを楽しそうにニヤニヤして見てた。

「なんでそんな事聞くんだよ?」

「夢を叶えるって言うのなら…お兄ちゃんに元気になってほしいなって思ったのに…

あの時、願わなかったから奇跡も何も起きなかったのかなって思って」

「俺とのSexは最高に気持ち良かったと思うけどな」

「いや…あれは…」

実は意識がなくて、全く憶えてないんですけど?

それじゃアズマが可哀想な気がして、あたしは黙っていた。

「願いなんか叶うとは思わねーけど、なんだったら一粒やろうか?」

気軽に彼はドラッグをあたしの目の前に差し出したけど、あたしは受け取らなかった。

「コレをやる気はないから」

「真面目~欲しかったら言えよ?いつでもやるからな」

「一応、うん…」

少しだけ誘惑されてた。
願いが叶う
それがもし本当なら、もう一度使用しても…って考えてた。