プライベート・スカイ

妬いてる…いや、そんなわけないじゃん!!

妬くっていう意味がわかんなーい!アズマなんて好きじゃないし!お兄ちゃんの事があるから仕方なく一緒に居るの!

そう!仕方なくなんだよ!

心ん中で、あたしは必死にお兄ちゃんに言い訳していた。

あたしを家まで送る車の中でアズマは言った。

「なぁ、雨峰。穂貴に会いたいんだけど」

「ダメ。会わせたくない!」

あたしは即答した。だって、あんな姿のお兄ちゃんなんか見せたくないし

アズマ達のせいでこんな事になってると思うし…

あたしが嫌がる理由が分かったのか、アズマもいつものような強引さはなかった。

「じゃいいや。元気になったら会いたいって言っておいて」

「うん…」

それからまた沈黙が続いて、家のそばまで来た時アズマの携帯が鳴った。

「はい、ええ、あ、大丈夫です。じゃ今から行きます」

いつもより丁寧な口調。アズマは電話を切ると車線を変えた。

「悪い、今から客ん所行くから付き合って」

「近いの?」

「うん、急ぎなんだ」

あたしは頷いた。

ホントは複雑な心境だった。誰かにあの薬を売る所を見るのは

初めてだったから。