「…なによ、それ」
「だから欲求不満じゃないし、お前だから抱きたいって思ったんだけどな」
「'私'だから…？」
佳依は平然と答えていた。本気で言ってるのかどうかも分からない。表情から考えは読み取れない。
佳依は平気で人を騙せる人だし…嘘かもしれない。
でも
'私だから'って言われてドキドキしちゃってる…
私を特別な想いで見てるって言われて、意識するなって方が無理。
ダメだよ
透依がいるのに
佳依を見つめちゃ──
透依は佳依のお兄ちゃんなんだよ？
バレたらヤバいんだよ？
心臓のドキドキを鎮めようと、私は必死に透依のことを考えた。
「俺の彼女になる？」
「え、いや、あの…何を言ってるの？だ、だって佳依は私のこと好きじゃないのに…」
「'好きだ'って言ったら、彼女になる？」
「…ゴメン、私──」
他に好きな人が居る事は言った方がいいと思った。
それが透依とは言えないけど
これ以上は佳依に近づきたくないから。
「私…ね…好きな人がいるの」
「だから何？俺の方が出世もするし、家も継ぐし
お前を幸せにできると思うけどな。だからさ
透依とはもう別れて、俺と付き合えよ」
「だから欲求不満じゃないし、お前だから抱きたいって思ったんだけどな」
「'私'だから…？」
佳依は平然と答えていた。本気で言ってるのかどうかも分からない。表情から考えは読み取れない。
佳依は平気で人を騙せる人だし…嘘かもしれない。
でも
'私だから'って言われてドキドキしちゃってる…
私を特別な想いで見てるって言われて、意識するなって方が無理。
ダメだよ
透依がいるのに
佳依を見つめちゃ──
透依は佳依のお兄ちゃんなんだよ？
バレたらヤバいんだよ？
心臓のドキドキを鎮めようと、私は必死に透依のことを考えた。
「俺の彼女になる？」
「え、いや、あの…何を言ってるの？だ、だって佳依は私のこと好きじゃないのに…」
「'好きだ'って言ったら、彼女になる？」
「…ゴメン、私──」
他に好きな人が居る事は言った方がいいと思った。
それが透依とは言えないけど
これ以上は佳依に近づきたくないから。
「私…ね…好きな人がいるの」
「だから何？俺の方が出世もするし、家も継ぐし
お前を幸せにできると思うけどな。だからさ
透依とはもう別れて、俺と付き合えよ」
