プライベート・スカイ

…ドキッとした。
仮病なのがバレてるに違いない。

だけど嘘がバレるのが怖くて、私は慌ててごまかした。

「そんなんじゃないの。ただ…今日は本当に朝から具合が悪くて」

そう言って具合の悪いふりをして下を向くと、佳依は私の頭を優しくなでた。

「ふーん、そっか。ゴメンな。でも心配だから途中まで送ってくよ」

「あ…うん…」

──これ以上は拒否できなかった。

言ってた通り佳依に送ってもらい、家まであと数分の場所あたりで私は足を止めた。

「この辺でいいわ。近くだし」

「大丈夫か」

「うん…」

'じゃあね'
──と、言いかけた時、私は佳依に抱きしめられた。

……あっ…!

ヤバいと思った時には遅く、気づいた時には佳依と唇を重ね、舌を絡ませていた。

なんでキスなんかするの?私が嫌がってるの分かんないの?

簡単にキスされてしまった自分にも腹がたって、つい私は言ってしまった。

「そんなにSexしたいの?単に欲求不満なら風俗にでも行けばいいのに」

「別に欲求不満とかじゃねーよ」

「じゃあ暇つぶし?佳依は誰でもいいのよね。だから私じゃなくても…」

「俺は、お前だからキスしたいと思ったんだけど?」