プライベート・スカイ

「可愛い…」

ケースに入った小さな指輪は、ハートを二つ繋いだようなデザインだった。

どんなのを選んだのかと思ってたら…
透依って可愛いの選ぶんだ。

「レイナに似合うかなって思ったんだけど…気に入らない?」

「そんな事ないよ!スッゴく嬉しい!」

「じゃ、姫。左手を出して」

透依に言われるまま、私は左手を出した。
彼が私の手を取り、その薬指に指輪をはめる。

嬉しいし

ドキドキするし

本当に結婚式みたい。

…でも、あれっ?

「結婚式って言うわりにはペアリングじゃないのっておかしくない?透依の指輪はどーするの?」

「だってペアでいいのがなかったんだもん。だからさ、ペアリングは今度二人で買いに行くとして

今日は気持ちだけの結婚式なの!」

「透依って…可愛い事言うなぁ…」

「だから指輪はレイナのお守り。一人でも寂しくないように

オレの代わりにレイナを守ってくれるように」

指輪に触れば
きっと透依を感じる…

こんな小さなものなのに、守られてる気になるのは何故なんだろう?




「オレのこと

好き?」




透依が私の頬に触れて聞いた。



「好き…大好きよ…」