プライベート・スカイ

透依は真剣にガラスケースの中を端から端まで、じっくり見ていた。

時折、私の顔を見たり私の指を見たり。

10分くらいして、それでもまだ悩んでいた透依に私は催促してみた。

「ねーぇ、まだー？」

「ちょ、ちょっと待ってて！なぁ、好きなブランドとかある？」

「そういうの関係ないと思わない？透依の好きなのって言ったでしょ!?もぉ、私一人で店内見てくるから決めておいてよね」

私がそばにいると、全然決まらないみたい。しばらく彼を一人にしようと、私は店内を適当にうろつき始めた。

どんなデザインだっていいの。

もしそれが私の好みじゃなくても、透依が私の事を想ってプレゼントしてくれたものなら私は嬉しいし

ブランドや値段で私への愛情が決まるようなものじゃないの。

しばらく歩いてると、透依が私を探しにきた。

「レイナ、帰ろうか」

「決まったの？」

「うん、買ってきたからさ。家に着いたらプレゼントするよ」

「楽しみだなっ」

スッゴい嬉しくて、私は彼と手を繋ぎながら店を出た。




「気にいらなかったらゴメンな。今度ちゃんとしたの買うから」

「バカね、そんなものに価値なんかないわよ」