プライベート・スカイ

私の考えを見透かすように、佳依は続けた。

「へぇ~別れるかどうかっていう微妙な時期でも、えっちはするんだー」

「ま、まぁね…お互い性欲を充たすだけのものよ」

「ふーん、まぁいいや」

なにもかも分かった顔をして、佳依はそのままの姿で挿入しようとした。

「ちょっと…つけてくれないの?」

「気分じゃねーから。なに?なんか文句ある?」

「…別に。子供でも出来たらどうするのかと思って。結婚してはくれないでしょ?」

当然、私は産む気もないし佳依と結婚する気もないのに、そう言ってみた。

佳依だって、『堕ろせ』って言うに決まってる。

なのに…

「子供が出来たら結婚するよ?お前と子供を養ってやるし~そしたらお前は社長夫人だなっ」

「───ウソ…でしょ?」

「俺はあんまり嘘つかねーよ」

…嫌
嘘だって言って

ちょっとドキドキしてる自分が信じらんない。

いつもの佳依のハッタリよね?

「佳依…」

「俺と愛し合おうか」

いつもの佳依と違って、優しいキス…

ダメ、ドキドキしちゃ。私には透依がいるんだから。


繋がりながら、私の手を握り続けた彼の手を

私は握り返すことができなかった…