プライベート・スカイ

「…はっ?!わ、私を…訴える!?」

いきなり何を言われてるのかわからなかった。
訴えるってなに?なんで?私を?

彼女は包帯の巻かれた手首を触り、それを強調するように続けた。

「私は精神的に追い詰められて、深く傷つけられたわ。透依はね、私に慰謝料を払う事で清算しようとしているの。

だけど私は貴女からも誠意を見せてほしいし、私がどれほど貴女に傷つけられたか知ってほしいのよ」

「だから私を訴えるというわけですか…慰謝料をよこせって事ですか?」

「お金の問題じゃないわ!私の家はね、透依の家ほどじゃないけどそれなりに大きな会社を経営してる家よ!お金だってある!

私が言ってるのは、私だけが苦しめられるのはおかしいって事よ」

「…」

「いいわね、貴女の身辺も調査するから。何が出てきても透依にも報告するわ」

…?!

ヤバい───とっさにそう思った。

私の身辺を探られたら…ドラッグの売人だと知られたら…

私はもちろん佳依やアズマは捕まるし、もしかすると透依までも疑われるかもしれない。

それ以外にも、私は私の全てを透依に知られたくない…!

訴えられたら…きっと調査される。

どうしよう…