プライベート・スカイ

彼女は顔を赤くさせて怒りをあらわにした。
なによ、私を見るなり勝ち誇ったような、優越感たっぷりな余裕を見せていたくせに。

「偉そうな態度ね。だから平気で人の男を略奪できるのよ。
軽そうだものね!今までもそうやってきたんでしょ?

飽きたら透依から他の男に乗り換えるのかしら?

それとも──彼のお家の財産がお目当て?」

「なんなの?外形なんかで人を判断するような人が彼の彼女?

サイテーです。だから透依は貴女と別れたんだわ。私は彼の家の財産なんかに興味ないし
彼の事が好きだから将来も考えるし。

貴女は私の事をバカにする為に呼んだんですか?」

「…」

彼女は黙って私を睨みつけていた。

負けるもんか。

私だって睨んでやるわよ!

わずか一分ほどの沈黙。先に目をそらしたのは彼女の方だった。

本気かどうかも分からない涙を流して、ため息をついていた。

「…こんな女を選ぶなんて、どうかしてるわよ…透依…」

「私がどんな女か、評価するのは貴女じゃなくて透依だわ」

そうよ、彼が私を最悪な女だと思うなら、私は捨てられると思う。

「もういいわ…貴女も透依もサイテーだって事ね。私ね…貴女を訴えようと思うの」