プライベート・スカイ

レイナと美夜の事が気になって、オレは一日仕事に集中できなかった。

美夜は本当に別れを受け入れ納得してくれたのだろうか?

オレの説得は上手くいったのだろうか。

レイナには…美夜と一緒に居たとは言えなかった。
メールをしたのは

『彼女に別れを告げてきた。昨日は行けなくてゴメンね』

って事だけ。
レイナは気づくかもしれないけど、あえて言う必要もないと思ったし。

今夜はレイナに会いに行きたいな。
会って…抱きしめたい。

店に行こうかな。確か今日も仕事だったよな?

仕事が終わった頃、タイミング良くメールが入った。

レイナだと思って喜んだのもつかの間…
美夜からのメールだった。

『ゴメン、メールして。苦しいの。もう死にたい』

──オレは急いで美夜の家に向かった。






玄関のドアの鍵は開いていた。

オレはパッと中に入って美夜の姿を探した。

「み…や…?美夜!」

床に横たわる彼女を見つけて、ドキドキしながら抱き上げた。

「おい、美夜!」

ゆっくり目を開いた彼女を見てホッとした。

よかった、生きてる…

「透依…透依だ…会いたかった…」

美夜の目は泣き腫らして真っ赤だった。