「まさか…お父さまかしら…!?」



桃子の瞳が突然輝きました。



そんな桃子の様子を見て、キジは何やら不吉な予感を感じ取りました。



「そうよ…そうに違いないわ!!」



桃子は思わずキジの首元をがっしりと掴み、ぶんぶんと揺さぶります。



「く……苦しいですっ…桃子さん…っ!!」



キジの悲痛な叫びも、興奮状態の桃子には届きません。



「お父さま…!」



じゅわわわっ、と派手に煙を上げながら、炎がようやく鎮まりました。



−そして。



「…はぁぁぁぁぁぁあぁあっ!?」



おばあさんと犬と桃子とキジと、4人分(主に女性陣)の絶叫が辺りに響き渡りました。



「おじいさんはどこよ!?」



「お父さまはどこよ!?」



はぁーあ、と、犬とキジは深く深く溜め息をつきました。