「…気持ち悪い…」 「おい!大丈夫なのか船長、これ…」 兄が殿様の背中を擦りながら見つめる先には、 「さっきからやってる…!」 灰色の波がザバンザバンと大きなうねりを上げていました。 それに従って船は大きく揺れます。 「ちゃんと掴まってろよッ」 船長のその言葉も虚しく、一同を乗せた船は、 「「「わ゛ーーー!!!×15」」」 ―ゴポゴポゴポ… 波にさらわれ、海へと引き込まれてしまいました。 船は、どんどん沈んでいきます。 ―何よ、あんた達 誰かの耳に、そんな声が聞こえたとか何とか。