船の上の雲行きが怪しくなっている頃、天候の雲行きも怪しくなっていました。 「こりゃあ、まずいかもな…」 「何かあったのか?父ちゃん」 「早々にどっか陸に上がらねぇと…」 「無視かよ、父ちゃん」 何やら船長は息子の言葉も耳に入らない程、慎重になっていました。 「ねぇ、何か天気悪くない?」 「そう言えば…波が」 船上の一同が気付いた頃には、辺りは灰色に包まれていました。 海も空も濃い灰色です。