「そんなことさせるわけないじゃない!この男を!こんな単純に!逃がしてたまるもんですか!」 桃子は拳を力いっぱい握ります。 「(俺ら騙してたことでも思い出したか…?)」 男もおばあさん同様、後ろから呆れた視線を投げ掛けました。 「そんなに急がなければならない答えですか。」 男は何もかも知っているような口振りで、お頭に問い返しをします。 「時間があったら話してくださいよ。まあどうせ私の耳には入らないでしょうけど。 …もしよかったら。あなたの考えを。」