おばあさんと桃子が振り向いた途端。



『―そこに居るのは判ってるんだ。出てきたらどうだ』



「…ぇ…。」



ばれていると分かっていたものの、突然のことに頭がついていきません。



「……なるほど。」



桃子は小さく呟いたあと、少し考える素振りを見せました。



「つまり。向こうは私達がここにいるってこと前提に話してる。」



「ええ。」



「このまま私達が出ていけば確信がなかった今の状況でも、結果オーライよね。」



桃子は男とおばあさんにしっかりと説明します。



「だから。ひとまず次に向こうが動くまで、こっちは動かずにいましょう。」


とりあえずその場をまとめた桃子に、



「普通に考えればそうなるけど向こうがそうも深読みしてるかしら…?」



そしておばあさんはフッと笑いました。