「(とりあえず進みましょ。)」



桃子は道も分からないまま、前に進んでいきます。



「(にしても…私がお兄ちゃんに話すことって何かしら…?今までは会話に合わせてなんとか持ったけど…。)」



桃子は後ろから着いてくる男をちらっと見ました。



「(本当にこいつは何を知ってるのかしら…。恐ろしいわ…。)」



どうやら今までの桃子は全てお芝居。



桃子自身は訳も分からず話を合わせていただけのよう。



「(しかも…。家族に秘密があるのって…。)」



桃子は心の中であるのに、自分の思ったことを言葉にするのをやめました。



「(やめやめ。こんなこと考えるのはやめだわ。同情なんかしてらんない。)」



どうやら桃子は本当の、本当の真実を知っている様子…